腰、砕けた。そして、大切なことに気づいた　〜痛みは、時に“気づきの贈り物”かもしれません 〜

人生初の「ぎっくり腰」がやってきた日

あの日、それは突然やってきました。なんの前触れもなく感じた、右腰の違和感。
「ん？」と思った瞬間、身体が思うように動かせず、まさに“魔女の一撃”という表現がぴったりな、人生初のぎっくり腰でした。

幸いにもその日は、奇跡的に身体のメンテナンスの予約をしていた日で、症状が悪化する前にケアを受けることができました。
歩けました。動けました。

でも――あの一撃は、ただのケガではなく、私にとってある種の「警告」だったように感じたのです。

本当は、前から“サイン”は出ていた

思い返してみれば、いくつも予兆はありました。
スマホをのぞきこむときの前傾姿勢
ご飯を食べるときの、片肘をつくクセ
右腰に時々感じていた、小さな違和感
でもそのすべてを、「まぁ大丈夫だろう」と無意識に流していたのです。

人はなぜ、痛みが出るまで気づけないのか？
なぜ、“壊れる”まで、気づこうとしないのか？
そんな問いが、自分の中にズシンと響きました。

“気づかない”のではなく、“気づこうとしていなかった”のかもしれない。
そう感じたとき、私はようやく身体と向き合う姿勢を見直そうと思ったのです。

見直すべきは、身体だけじゃなかった

身体の痛みを通して、もう一つ大きな気づきがありました。
それは――
「人との関係における姿勢」です。

ぎっくり腰のことを話したとき、周囲からさまざまな反応を受け取りました。
真っ先に心から心配してくれた人
軽く受け流しながら笑ってくれた人
ふざけながら気を紛らわせようとしてくれた人

そのやり取りの中で、私は気づいたのです。
「本当に大切にしたい人たち」が、浮かび上がってきたことに。
自分が弱っているとき、本音に寄り添ってくれる人の存在は、こんなにも心強く、あたたかいものなのだと。

「大切な人」には、ちゃんと伝えたい

人は、自分に余裕がないときこそ、
“本当に大切な存在”に気づけるのかもしれません。

そして、気づいたからには――ちゃんと言葉にして伝えていきたいと思いました。
「気にかけてくれてありがとう」
「あなたのその言葉、すごく嬉しかった」
「本当に助けられたよ」

そんな想いを、心の中だけでつぶやいて終わらせるのではなく、ちゃんと“相手に届くかたち”で返していきたい。
今回の出来事は、身体の痛みだけではなく、心の姿勢まで整えてくれる、そんな時間になりました。

あなたは、どんな痛みが何を教えてくれましたか？

人生は、ときどき強制的に「ストップボタン」を押してきます。
でもその時間は、ただの休止ではなく、これまでの生き方を見直す“メンテナンスタイム”なのかもしれません。

身体の姿勢、心の余裕、人との関係性
“ちゃんと感じて、ちゃんと伝える”という大切さ

痛みがあったからこそ、見えてくることがあります。
それは決して歓迎したいものではないかもしれませんが、とてもかけがえのない“気づきの贈り物”になることもあるのです。