10キロ痩せた過去が、僕の足を止めていた。リバウンド15キロの先で見つけた「自分を許す」という勇気。

「俺はやればできる」という自信が、罠になる

5年前、僕は1年かけて10キロの減量に成功しました。

食事、サプリ、トレーニング。すべてを完璧にコントロールし、理想の体を手に入れたあの頃の記憶。それは今でも、僕の確かな成功体験の一つです。

しかし、時を経て気づけば15キロのリバウンド。
不思議なことに、一度成功した経験があるからこそ、再スタートを切るのが怖くなっていました。

なぜ、経験があるのに動けないのか?
そこには、過去に成功した人ほど陥りやすい「心理的な罠」があったのです。

「かつての自分」が、今の自分を裁く物差しに

脳は、一度エベレストに登ったことがあると「俺は登り方を知っている」という全能感を持ち続けます。すると、今の足元の泥臭い一歩を、無意識に過小評価し始めるのです。

「あの時と同じように、またストイックにやらなければならないのか」
「今の衰えた自分で、あの場所に戻るまでどれほどかかるのか」

ジムに行けば、昔より上がらない重量、昔より走れない自分を突きつけられる。
それを認めるのが怖くて、僕は「仕事が忙しい」「明日から本気出す」という、もっともらしい言い訳で自分を守り続けていました。

かつての完璧だった自分が、今の自分を厳しく裁く「物差し」になっていたのです。

「過去の栄光」と決別する勇気

過去の成功体験は、時に「今の自分」を縛り付ける呪縛になります。
しかし、過去の栄光は本来、自分を支える「自信」にするものであって、今の自分を攻撃するための道具ではありません。

「かつての自分を追いかけるのをやめたとき、今の自分にしかできない変化が始まる」

「昔の俺ならもっとできた」と嘆くより、「今の、疲れ果てた自分でも、これならできる」という最小単位の行動を見つけること。

100点満点の再スタートを目指して動けなくなるくらいなら、10点の行動を積み重ねる方が、はるかに価値があります。

10%の光を灯し続ける

もし、あなたが「昔の自分」とのギャップに苦しみ、動けなくなっているのだとしたら。どうか、今の自分を許してあげてください。

かつての自分なら0点だと思っていた「カバンにウェアを忍ばせただけ」の自分。
今の自分にとっては、それを10点満点中10点だと褒めてあげる。

過去の自分と決別し、今の自分を愛すること。

本当の再挑戦はそこから始まるのだと、僕は確信しています。

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